DDoS攻撃の最新事例と対策:必見!IT初心者のための対策ポイント

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近年、インターネットの利用が日常化する中で、私たちの生活やビジネスに深刻な影響を及ぼすサイバー攻撃が増加しています。その中でも特に注目されているのが「DDoS攻撃(分散型サービス妨害攻撃)」です。この攻撃は、企業のWebサイトやサーバーを機能不全に追い込むものであり、経済的損失や信頼の失墜を招く深刻な脅威です。

この記事では、「DDoS攻撃とは何か?」という基本的なところから、その仕組みや種類、被害事例、さらには有効な対策までを詳しく解説します。

1. DDoS攻撃とは?

1-1. 定義

DDoS(Distributed Denial of Service)攻撃とは、「分散型サービス妨害攻撃」とも呼ばれ、複数のコンピューターから標的のサーバーやネットワークに大量のリクエストを送り付け、サービスを過負荷状態にし、正規のユーザーによるアクセスを妨げる攻撃のことです。

DDoS攻撃は、単一のコンピューターによるDoS(Denial of Service)攻撃の進化版で、数千台、数万台の端末を利用して行われるのが特徴です。

1-2. 主な目的

DDoS攻撃の目的はさまざまですが、主に以下のような意図があります。

  • 競合他社を妨害するための経済的攻撃

  • ハクティビズム(政治的・社会的メッセージの主張)

  • 金銭的な要求(ランサムDDoS)

  • セキュリティの脆弱性を隠すための陽動


2. DDoS攻撃の仕組み

2-1. ボットネットの利用

DDoS攻撃の多くは「ボットネット」と呼ばれるネットワークを利用して実行されます。ボットネットとは、マルウェアによって感染・遠隔操作されるPC、IoT機器、サーバーなどが集められたネットワークのことです。攻撃者はこのボットネットを通じて、同時多発的にターゲットに対して通信を行います。

2-2. 攻撃の流れ

  1. 攻撃者がマルウェアを使って不特定多数のデバイスを感染させ、ボット化。

  2. C&Cサーバー(指令・制御サーバー)を通じてボットを一斉に操作。

  3. ターゲットに対して一斉にアクセス要求(リクエスト)を送信。

  4. サーバーが過負荷となり、正常なサービス提供ができなくなる。


3. DDoS攻撃の主な種類

DDoS攻撃にはいくつかの種類があり、それぞれ手法が異なります。代表的なものを以下に紹介します。

3-1. ボリューム型攻撃(Volume-Based Attacks)

大量のデータを送りつけ、ネットワークの帯域幅を圧迫するタイプの攻撃。例えば「UDPフラッド」や「ICMPフラッド」などがあります。

3-2. プロトコル攻撃(Protocol Attacks)

サーバーやネットワーク機器の処理能力を消耗させる攻撃です。代表的な例として「SYNフラッド」や「Ping of Death」があります。

3-3. アプリケーション層攻撃(Application Layer Attacks)

Webアプリケーションの脆弱性を突く攻撃で、HTTPリクエストを大量に送ってWebサーバーをダウンさせるもの。代表例は「HTTPフラッド」です。

4. DDoS攻撃の検出と影響

4-1. DDoS攻撃の兆候

  • サイトやアプリケーションの応答速度が極端に低下する

  • 特定のポートやIPアドレスへのトラフィックが異常に増加する

  • サーバーログに不自然なリクエストが大量に記録されている

4-2. ビジネスへの影響

  • 売上損失:ECサイトの停止による直接的損失

  • 信用失墜:顧客や取引先の信頼を失う

  • 復旧コスト:技術者の人件費やセキュリティサービスの導入費


5. DDoS攻撃の対策方法

DDoS攻撃を完全に防ぐことは困難ですが、以下のような多層的な対策を講じることで被害を最小限に抑えることが可能です。

5-1. ネットワーク対策

  • ファイアウォールやIDS/IPSの導入:異常な通信パターンを検知・遮断。

  • レート制限:一定時間内のリクエスト数を制限することで過負荷を軽減。

  • Anycastネットワークの活用:複数のサーバーでトラフィックを分散させる。

5-2. クラウド型DDoS防御サービス

  • Cloudflare、Akamai、AWS Shieldなどのサービスを利用することで、攻撃トラフィックをクラウド側で吸収・処理できます。

5-3. ログと監視

  • 日常的にトラフィックやリクエストのログを監視することで、初動対応が可能になります。

  • 機械学習による異常検知システムの導入も効果的です。

まとめ

DDoS攻撃は、企業活動や社会生活に深刻な影響を与えるサイバー攻撃の一つです。技術の進化とともに攻撃手法も高度化・巧妙化しており、被害を未然に防ぐには継続的なセキュリティ対策とインシデント対応体制の構築が不可欠です。

すべての組織が「自分たちは標的にならない」と油断せず、日頃からリスクマネジメントと防御策を講じることが、DDoS攻撃に対する最大の防衛手段となるのです。

プロフィール
TanaT

株式会社あいてぃ所属。
クラウドエンジニア(AWS・Azure)
取得資格:AWS SAP、AZ-104、AZ-305
フロントエンド、バックエンド開発もできるフルスタックエンジニアとして学習中。
「AIとクラウドについて学ぶ」サイトの編集長。

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