Amazon API Gatewayとは?仕組み・特徴・料金・使い方を初心者向けにわかりやすく解説

スマートフォンアプリやWebサービスの裏側では、さまざまなシステム同士がAPIを通じて連携しています。
特に近年は「APIをいかに安全かつ効率的に公開・管理するか」が重要なテーマになっています。

こうした背景の中で、多くのAWSユーザーに利用されているのが Amazon API Gateway です。

本記事では、本記事では、APIの基礎からAPI Gatewayの特徴、料金体系、デプロイ手順、日常的な基本操作までを、初心者にも分かりやすく解説します。

API Gateway とは?

API Gatewayとは、クライアントとバックエンドの間に立ち、APIへのリクエストを一元的に受け付けて制御するためのサービスです。

クライアントからのアクセスをそのままサーバーに渡すのではなく、認証・認可、リクエストの振り分け、レスポンスの変換などをまとめて管理できます。

これにより、APIの公開や運用を安全かつ効率的に行えるようになります。特にクラウド環境では、API Gatewayを利用することでシステム構成をシンプルに保ちながら、柔軟な拡張が可能になります。

そもそも API とは?

API(Application Programming Interface)とは、異なるソフトウェア同士が機能やデータをやり取りするための仕組みです。

たとえば、スマートフォンアプリがサーバーからデータを取得する際、その窓口としてAPIが使われます。APIを通じて処理を分離することで、開発者は内部の実装を意識せずに機能を利用でき、システム全体の保守性や再利用性が高まります。 

マイクロサービスとAPIの関係

スマートフォンアプリやサーバーレス化の普及でAPIが必須になったことに触れる

近年主流となっているマイクロサービスアーキテクチャでは、機能ごとに独立したサービスがAPIを介して連携します。

さらに、スマートフォンアプリの普及やAWS Lambdaなどのサーバーレス技術の登場により、APIはシステムの中心的な役割を担うようになりました。

API Gatewayは、こうした複数のAPIを統合的に管理し、スケーラブルで安定したサービス提供を支える重要な存在です。

API Gateway の特徴

Amazon API Gatewayは、APIの作成・公開・運用を包括的に支援するフルマネージドサービスです。

単なるリクエストの受け口にとどまらず、認証やアクセス制御、監視、バージョン管理までを一元的に担える点が大きな特徴です。ここでは、代表的な機能や強みを紹介します。

高機能なAPI管理

リクエスト数を制限するスロットリングや、APIキーによる利用制御IAMやCognitoと連携した認証・認可設定など、API運用に必要な管理機能が標準で用意されています。

加えて、リクエストやレスポンスの変換エラーハンドリングの制御も行えるため、バックエンド側の実装をシンプルに保てます。これにより、APIの品質やセキュリティを高いレベルで維持しながら運用できます。

Lambdaや各種AWSサービスとの統合が容易

AWS Lambdaをはじめとした各種AWSサービスとの統合が非常に容易です。

Lambdaとの連携では、サーバーを意識することなくAPIの処理を実装でき、完全なサーバーレス構成を実現できます。

さらに、EC2やALB、DynamoDB、S3などをバックエンドとして指定することも可能で、用途に応じた柔軟なアーキテクチャ設計ができます。設定はマネジメントコンソール上で完結するため、開発効率の向上にもつながります。

サーバーレスで自動スケール可能

インフラの構築やスケーリングを意識することなく、アクセス数の増減に応じて自動的に処理能力が拡張されます。急激なトラフィック増加が発生しても、安定したAPI提供が可能です。

これにより、トラフィック予測やキャパシティ設計といった運用負荷を抑えられるため、小規模なAPIから大規模サービスまで同じ仕組みで対応できる点は大きなメリットです。

デプロイ・バージョン管理機能がある

ステージを利用することで、開発環境・検証環境・本番環境を分けて管理できます。これにより、安全なリリース運用が可能になります。

また、設定変更やAPI仕様の更新もステージ単位で反映でき、過去バージョンへの切り戻しも容易に行えます。これにより、APIの継続的な改善と安定運用を両立できます。

API Gateway の構成要素

API Gatewayは、複数の構成要素を組み合わせてAPIを定義・公開する仕組みになっています。各要素の役割を理解しておくことで、API設計や運用がスムーズになります。

ここでは、主要な構成要素についてそれぞれの役割を整理して解説します。

API(REST / HTTP / WebSocket)

API Gatewayでは、用途に応じてREST APIHTTP APIWebSocket API3種類のAPIを作成できます。REST APIは高機能で、認証やリクエスト変換など細かな制御が可能なため、複雑な要件を持つAPIに適しています。

一方、HTTP APIはシンプルかつ低コストで、Lambdaとの連携を中心とした軽量なAPIに向いています。WebSocket APIは、双方向通信が必要なリアルタイムアプリケーションで利用されます。要件に応じて適切なAPIタイプを選択することが重要です。

ルート

ルートは、クライアントからのリクエストをどのパスで受け付けるかを定義する要素です。たとえば「/users」や「/orders/{id}」といったURLパスがルートに該当します。

ルートごとに処理内容を分けて設定できるため、API全体の構造を整理しやすくなります。適切なルート設計を行うことで、APIの可読性や保守性も向上します。

メソッド

メソッドは、HTTPリクエストの種類(GET、POST、PUT、DELETEなど)を表します。API Gatewayでは、ルートとメソッドを組み合わせて具体的なAPIの振る舞いを定義します。

たとえば、同じ「/users」というルートでも、GETは一覧取得、POSTは新規作成といった形で処理を分けることができます。メソッド単位で認証やバックエンド統合を設定できる点も特徴です。

ステージ

ステージは、APIをデプロイする実行環境を表します。一般的には、dev、staging、prodといった形で環境ごとにステージを分けて管理します。

ステージごとにエンドポイントURLが発行されるため、開発中のAPIと本番APIを安全に切り分けることが可能です。また、ログ設定やキャッシュ設定をステージ単位で変更できるため、運用面でも柔軟性があります。

カスタムドメイン

カスタムドメインは、API Gatewayが発行するデフォルトのURLではなく、独自ドメインでAPIを公開するための機能です。Route 53やACMと連携することで、HTTPS対応のAPIを簡単に構築できます。

これにより、サービス全体で統一感のあるURL設計が可能になり、利用者にとっても分かりやすいAPIを提供できます。運用やブランディングの観点でも重要な要素です。

API Gateway の料金体系

Amazon API Gatewayの料金は、基本的に「APIへのリクエスト数」と「データ転送量」に基づく従量課金制です。初期費用や最低利用料金はなく、利用した分だけ支払う仕組みのため、小規模なAPIからでも安心して導入できます。

REST APIとHTTP APIでは料金体系が異なり、HTTP APIの方がシンプルかつ低コストに設定されています。また、WebSocket APIでは接続時間やメッセージ数に応じて課金されます。

用途や要件に応じてAPIタイプを選択することで、コストを最適化しながらAPI運用が可能です。

API Gateway のデプロイ方法

API Gatewayでは、管理画面に沿って設定を進めることで、比較的シンプルな手順でAPIをデプロイできます。

ここでは、API Gatewayを利用した基本的なデプロイ手順を、STEPごとに分かりやすく解説します。

STEP 1:APIの種類を選択する(REST / HTTP)

最初に、作成するAPIの種類を選択します。REST APIは高機能で細かな制御が可能な一方、HTTP APIはシンプルで低コストです。

AWSマネジメントコンソールにログインし、「API Gateway」を検索してサービス画面を開きます。最初に表示される画面では、「REST API」「HTTP API」「WebSocket API」といったAPIタイプが一覧で表示されます。

ここで、細かな制御や認証設定が必要な場合は「REST API」を、シンプルで低コストなAPIを作りたい場合は「HTTP API」を選択します。初心者でLambdaと連携する簡単なAPIを試したい場合は、HTTP APIを選ぶと設定項目が少なく理解しやすいです。

STEP 2:API を作成する

APIタイプを選択したら、「作成」ボタンをクリックします。次に表示される画面で、API名と説明を入力します。API名は後から一覧で表示されるため、「sample-api」「user-api」など用途が分かる名前を付けるのがおすすめです。

STEP 3:バックエンド統合の設定

次に、APIのリクエストをどのバックエンドに連携するかを設定します。

HTTP APIの場合、「統合を追加」ボタンをクリックし、統合タイプとして「Lambda関数」や「HTTP URL」を選択します。


Lambdaを選択した場合は、リージョンと対象のLambda関数名をプルダウンから指定します。これにより、API Gatewayが受け取ったリクエストをLambdaに渡す設定が完了します。

STEP 4:メソッドレスポンスの設定

REST APIを利用している場合は、メソッドごとにレスポンス設定を行います。管理画面の「メソッドレスポンス」や「統合レスポンス」画面で、HTTPステータスコード(200、400、500など)を登録します。

初心者のうちは、まず「200 OK」だけを設定し、正常系のレスポンスが返ることを確認するだけでも問題ありません。これにより、クライアント側で受け取るレスポンスの形式が明確になります。

STEP 5:認証・認可の設定

次に、APIへのアクセス制御を設定します。「認証」や「オーソライザー」といった項目から、Cognito、Lambdaオーソライザーなどを選択できます。

APIを公開する際にはセキュリティ対策が欠かせません。API Gatewayでは、IAM、Cognito、Lambdaオーソライザーなどを使った認証・認可設定が可能です。外部公開APIなのか、内部利用のみなのかを考慮し、適切な認証方式を選択します。

STEP 6:デプロイ用ステージを作成する

設定が完了したらAPIをデプロイします。REST APIの場合、「アクション」メニューから「APIをデプロイ」を選択し、新しいステージ名(例:dev、prod)を入力します。

ステージを作成すると、そのステージ専用のAPIエンドポイントURLが自動的に発行されます。このURLが、実際にクライアントからアクセスするAPIの入口になります。

STEP 7:カスタムドメインを設定する(必要に応じて)

必要に応じて、「カスタムドメイン名」メニューから独自ドメインを設定します。

ACMでSSL証明書を発行し、ドメイン名を入力して関連付けることで、独自ドメインのHTTPS APIを公開できます。商用サービスではよく利用される設定です。

STEP 8:CloudWatch Logs を有効化する

運用フェーズを見据えて、CloudWatch Logsを有効化します。 ステージ設定画面で「CloudWatchログを有効化」にチェックを入れることで、リクエストログやエラーログを確認できるようになります。障害発生時の原因調査やパフォーマンス改善が容易になります。

STEP 9:クライアントからAPIを呼び出す

最後に、発行されたエンドポイントを使ってブラウザやcurl、PostmanなどのツールからAPIを呼び出します。正常にレスポンスが返ってくることを確認できれば、APIのデプロイは完了です。

ここまでの一連の流れを理解することで、API Gatewayを使ったAPI公開の基本を押さえることができます。

API Gateway の基本操作

API Gatewayは、AWSマネジメントコンソール上の操作だけでAPIの作成から運用までを行うことができます。基本的な操作を押さえておくことで、APIの変更やトラブル対応もスムーズになります。ここでは、日常的によく使う基本操作について解説します。

APIの作成・編集を行う

管理画面から簡単にAPIの作成や編集を行えます。新しいAPIを作成する場合はAPIタイプを選択し、API名や説明を入力するだけで基本的な枠組みが用意されます。

作成後はルートやメソッドを追加・編集することで、APIの振る舞いを変更できます。設定内容は画面上で一覧表示されるため、どのAPIがどの構成になっているかを把握しやすく、初心者でも操作しやすいのが特徴です。

新しいバージョンのデプロイをする

設定を変更しただけではAPIは即時反映されず、デプロイ操作が必要になります。REST APIの場合は「APIをデプロイ」からステージを選択または新規作成することで、新しいバージョンが反映されます。

ステージを分けて運用することで、開発中の変更が本番環境へ影響するのを防げます。安全なリリースや、問題発生時の切り戻しを行いやすくなる点も大きなメリットです。

Lambda・バックエンドとの統合ができる

LambdaやEC2、外部HTTPサービスなど、さまざまなバックエンドと統合できます。特にLambdaとの連携は設定が簡単で、関数を選択するだけでAPI経由で処理を実行できます。

これにより、サーバー管理を意識せずにAPI処理を実装可能です。バックエンドを差し替える場合も、API側の設定変更のみで対応できるため、構成変更に強い設計が可能になります。

メトリクス監視とログの確認ができる

CloudWatchと連携した監視機能により、リクエスト数やエラー数、レイテンシなどのメトリクスを確認できます。これらの情報から、APIの利用状況や異常の兆候を把握できます。

さらに、CloudWatch Logsを有効化すれば、リクエストログやエラーログの確認も可能です。トラブルシューティングや原因調査が行いやすくなり、APIの安定運用につながります。

まとめ

Amazon API Gatewayは、APIの作成から公開、管理までを一元的に行えるAWSの中核的なサーバーレスサービスです。ルーティングや認証、バージョン管理、スケーリングといった機能が標準で備わっており、バックエンドの実装に集中しながらAPIを運用できます。

基本的な仕組みや操作を理解しておけば、AWSを使ったアプリケーション開発の選択肢は大きく広がります。まずはシンプルなAPIを作成し、デプロイやログ確認まで一通り試してみてください。実際に手を動かすことで、API Gatewayの便利さと実務での活用イメージを無理なく掴めるはずです。

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