前回は、VNetとサブネットが「何か」という基礎を学びました。
今回はいよいよ、その2つを 実際に作ってみる 回です。
Azureの操作には大きく ポータル(画面) と CLI(コマンド) の2つの方法があります。
この記事では両方のやり方を紹介し、最後に「作るときに気をつけたいアドレス空間の設計」も押さえます。
ポータルからVNetとサブネットを作成する
まずは、いちばん分かりやすい Azureポータル(ブラウザの管理画面) からの作成です。
ここでは、VNetを新規に作る手順と、そのVNetにサブネットを追加する手順を順番に見ていきます。
VNetを作成する手順
Azureポータルでは、次の流れでVNetを作成します。

- ポータルで「仮想ネットワーク」を検索し、「作成」を選ぶ
- サブスクリプション と リソースグループ を選ぶ(リソースの置き場所)
- 名前 と リージョン(例: 東日本)を指定する
- 「IPアドレス」タブで アドレス空間(例:
10.0.0.0/16)を入力する - 内容を確認して「作成」を実行する
数十秒ほどでVNetが作成されます。
アドレス空間の決め方は前回の記事で解説したとおり、10.0.0.0/16 のように少し広めに取っておくと後の拡張がラクです。
サブネットを追加する
VNetを作成したら、その中に サブネット を切っていきます。

ポータルでは、作成済みのVNetを開き、左メニューの「サブネット」から追加できます。
- 対象のVNetを開き、「サブネット」→「+ サブネット」を選ぶ
- サブネットの 名前(例:
app-subnet)を入力する - サブネットの アドレス範囲(例:
10.0.1.0/24)を指定する - 「保存」する
なお、VNetの作成画面でも最初のサブネットを同時に作れます。
学習を始めたばかりの方は、まずは「VNetを作る → その中にサブネットを足す」という流れだけ押さえておけば十分です。
CLIからVNetとサブネットを作成する
慣れてくると、Azure CLI(コマンド) で作るほうが速く、手順を再利用しやすくなります。
ここでは、VNetの作成コマンドと、サブネットの追加コマンドを紹介します。
VNetを作成する(az network vnet create)
VNetは az network vnet create で作成します。
az network vnet create \
--resource-group myRG \
--name myVNet \
--location japaneast \
--address-prefixes 10.0.0.0/16
主なオプションは次のとおりです。
--resource-group… 置き場所のリソースグループ--name… VNetの名前--address-prefixes… アドレス空間(CIDR)--location… リージョン
次のように --subnet-name を付けると、VNetと最初のサブネットを同時に作成することもできます。
az network vnet create \
--resource-group myRG \
--name myVNet \
--address-prefixes 10.0.0.0/16 \
--subnet-name app-subnet \
--subnet-prefixes 10.0.1.0/24
サブネットを追加・分割する(az network vnet subnet create)
既存のVNetにサブネットを足すときは az network vnet subnet create を使います。
az network vnet subnet create \
--resource-group myRG \
--vnet-name myVNet \
--name db-subnet \
--address-prefixes 10.0.2.0/24
このコマンドを、用途ごとに 10.0.1.0/24、10.0.2.0/24…と範囲を変えて繰り返せば、VNetを複数のサブネットに分割できます。
ポイントは前回も触れたとおり、サブネット同士のアドレス範囲を重ねないことです。
アドレス空間の重複を避ける
VNetを作るときに地味だけれど重要なのが、アドレス空間(IPの範囲)を他と重複させないことです。
重複していると、後でネットワーク同士をつなぐときにうまく通信できません。
特に次の2つとの重複に注意します。
オンプレミスとの整合
会社の社内ネットワーク(オンプレミス)とVPNなどでつなぐ予定がある場合、オンプレミスで使っているIP帯とVNetのアドレス空間が重ならないように設計します。
たとえば社内が 192.168.0.0/16 を使っているなら、VNetは 10.0.0.0/16 にするなど、ぶつからない範囲を選びます。
他のVNetとの整合
将来、別のVNetと ピアリング(VNet同士の接続)でつなぐ可能性がある場合も、VNet同士のアドレス空間を重複させないようにします。
重複していると、そもそもピアリングを構成できません。
「いま1つしかVNetがなくても、増える前提で広めの計画を立てておく」と安心です。
まとめ
今回のポイントを振り返りましょう。
- VNetとサブネットは ポータル(画面) でも CLI(コマンド) でも作成できる
- CLIなら
az network vnet createでVNetを、az network vnet subnet createでサブネットを作成・分割できる - VNet作成時は、オンプレミスや他のVNetと アドレス空間を重複させない ことが重要
作成までできたら、次は 複数のVNetをつなぐ「接続」(ピアリングとハブ&スポーク)に進みましょう。
